理事長所信

青雲之志
~己を律し高みを目指す~

はじめに

“国家の消長は青年の力によって決せられる”

新谷 2018-2
 1957年2月17日、高い志を抱いた青年達により坂出青年会議所は創立され運動を展開してまいりました。
 昨年は創立60周年という節目の年を迎え、記念式典には地域の関係各諸団体の皆様をはじめ、各地会員会議所の皆様から沢山のご臨席を賜りました。地域に根差した団体として活動をできるありがたさや、日本全国ひいては世界へと繋がることができるJayceeとしての価値を改めて実感しました。
 そしてなにより先輩諸兄が紡いでこられた歴史や運動、弛まぬ努力によって連綿と受け継がれてきた不変の精神を持ち、坂出青年会議所をこれからも70年、80年、100年と守り抜く決意の場となりました。創立以来、変わらぬ行動理念の下、明るい豊かな社会の実現を目指し活動していきます。

公益社団法人 坂出青年会議所 第62代理事長 新谷 孝幸

想いと行動

 入会前の私は、決められたルールに沿って行動する人間ではありませんでした。当時の拡大委員長から誘いを受けてなんとなく坂出青年会議所の事業に参加しましたが、そこでは当時の理事長、ブロック会長が自分だけの想いで行動せず、様々な問題にも逃げることなく向き合う姿を目の当たりにし、私は凛としたその背中に憧れを抱きました。また坂出青年会議所のメンバーは地域のことを最優先に考え、この活動によって地域に住み暮らす人々にどのような影響をもたらすのかを真剣に議論し合い取り組んでいたのです。この地域で商売を始めて10年目、人生における更なる学びを求めて、2013年「この組織で活動すれば自身を研鑽し徳を学び成長できる」、そんな期待を胸に坂出青年会議所への入会を決意しました。その年の新入会員は私を含め14名いましたので委員会内も活気に満ち溢れ、誰もが来年は「委員長がしたい」卒業までには「理事長になりたい」と快活に振る舞う同期ばかりで切磋琢磨し合える仲間が集まっていました。これまで地域の社会貢献とは無縁の世界でいましたが、そんな同期に恵まれたこともあり煽られるように様々な研修や事業へがむしゃらに参加していました。活動するなかで沢山の学びや気付きがありましたが、特に感銘を受けたのが自然災害における青年会議所の支援活動でした。
 2011年3月11日東日本大震災、何気なく自宅でテレビをつけると、あの凄まじい津波の映像が目に飛び込んできた衝撃は今でも忘れることなく脳裏に焼き付いています。最悪の状況が起きていることは理解できていても遠く離れた香川県にいる自分に何ができるのだろうか。唯々、車や家屋が津波に流されている生中継の映像を眺めることしかできない自分にやり場のない憤りと無力感を覚え、できたことといえばコンビニエンスストアに置かれた募金箱に無言でお金を投じるだけが精一杯の自分がそこにはいました。しかし青年会議所は違っていました。行政機関が震災によって麻痺しているなか翌日に日本青年会議所は災害対策本部を設置し救援物資の搬入を行っており、そして坂出青年会議所においてもボランティアスタッフとして現地へ向かっていました。自分には何ができるのか、地域に貢献するとは、社会奉仕とは一体何か。全国に張り巡らされた青年会議所のネットワークとそれぞれの地域にいるJayceeの存在によって、自分の視野が拡がり、すべての事象に無限の可能性が秘められていると諭され、その価値を見出そうと考える日々が続きました。

“有益な結果をもたらす行動の前には思想と理論が必ず存在する。しかし行動はそれ自身、思想や理論よりも崇高なものである。”

 その後、突如に発生する自然災害に対して、想いと行動がほぼ同時進行のまま無我夢中で様々な支援活動に参加しました。2014年8月広島県を襲った集中豪雨による土砂災害では坂出青年会議所の先輩を中心に広島の被災地へ、2015年の栃木県を襲った水害では坂出青年会議所のメンバー数名で、泥かきやゴミ出し作業等のボランティアスタッフとして参加しました。昨年の九州北部豪雨災害では、新入会員が中心となり駅前で声を張り上げながら支援金の呼び掛けを行い、そのまま現地へと足を運ぶメンバーもいました。被災地には必ず各地青年会議所から数多くの救援物資やボランティアスタッフが集まっており、利他の精神から即行動へと移すこの青年会議所という組織はなんて素晴らしいものなのかと改めて誇りに思える団体だと確信しました。

“心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる。”

 こんな私でも入会してから青年会議所活動に参加しているだけで知らないうちに地域や社会への貢献に対する意識が芽生え、何かの役に立てるよう日々自己研鑽に努めるべく、更なる高みを目指してあらゆることに挑戦し、一歩ずつ成長し続けていきたいと考えるようになりました。それは他利のためでもあり、己自身を律するためでもあります。
青年会議所の特徴の一つとして、20歳から40歳までを在籍期間と定めた年齢制限があります。入会と同時に卒業までの在籍期間が決まり、与えられた期間の中でいかに自分自身の未来を思い描き、自らの意思で行動しなければなりません。役職を通じて様々な成長がありますが、1年間の役職をこなすことがゴールではありません。限られた在籍期間の中で様々なことに挑戦し、家庭・会社・地域においてその力を発揮し活かすことが重要です。入会年数が浅いから、年齢が若いから、もう卒業だからといって自分の意見を表に出さず、行動に移さないのは、個人の成長は疎か組織の成長にも繋がりません。青年会議所は会社の規模や知名度に関わらず皆対等な関係にあり、一人ひとりにあった学びが得られる場です。活動のなかに様々な機会が訪れ、掴むか掴まないかは自分次第であり、限られた在籍期間のなかで如何に成長できるかどうかが個人に課せられた使命です。

“地域に必要とされる組織とは、無限にある様々な成長の機会とは、
それは運命を共にする青年会議所、ここにあり。“

未来ビジョン

 昨年、創立60周年を期に未来ビジョンを策定しました。連綿と受け継いできた先輩諸兄の想いをもって、2018年度も地域に求められる団体として、地域に根差した運動を展開し、坂出青年会議所の更なる発展に邁進します。

あなたの楽しさが、まちを彩る

・ひとにワクワク感を与える事業へ
 地域の歴史・文化・現状を学んだ上で、ホストとゲストが共にワクワクするような事業を構築し発信し続ける事で坂出青年会議所の認知度を向上させます。そして、地域の皆様に対して我々の活動に理解と興味を持っていただき、共に歩んでいけるような事業を構築することで地域との繋がりを深めていきます。

・いこれ!坂出JC
 坂出青年会議所が地域から注目を集める組織になるほどの新たな時代を斬り拓くために、現状の課題をメンバー間で共有し、その解決策に向き合う意識と情熱を持ってすべての事業に参加しなければなりません。私達の意識共有から坂出青年会議所全体のモチベーション向上へと繋げ、地域を照らす燈火にならなければなりません。

・変わらないために、変わる
 本当に求められる事業を構築する為には、時代とひとに合わせた事業を行っていく必要があります。青年会議所のひとを育てる土壌を守りながら、誰かのためが、地域のためへと繋がる運動は何かと追い求め坂出青年会議所だからできる新たな事業を追及する必要があります。

これらの未来ビジョンをメンバー間で共有し各事業に反映させることで地域を明るく豊かにそして坂出青年会議所の運動を次代へと引き継いでいきます。

2018年度事業への期待

・仁愛なる対内運営     
 創立より現在まで坂出青年会議所は、地域に求められる様々な事業を展開してきました。組織力を活かし、各委員長を通じて全ての会員が参加しやすい環境の仕組みを作り青年会議所でしかなしえることのできない様々な機会の提供に努めなければなりません。2010年に取得した公益社団法人格を有す坂出青年会議所は、これからも県との継続的な折衝をはかり、適切な公益性の判断を行い、対内にて発信していかなければなりません。その上で、これからも公益法人格をもつ団体として一人ひとりが自覚をもちそのブランディング価値を認識し維持していかなければなりません。

・最良の賑わい
 坂出青年会議所では、さかいで塩まつり、SAKAIDE JCサマーキャンプ、坂出市民大学と先輩諸兄から受け継ぎ、地域に誇れる三大事業を例年開催しています。毎月開催する例会事業は、担当委員長が委員会メンバーと事業構築して行いますが三大事業は委員会の枠を越え坂出青年会議所全メンバーで行うものです。まず、塩まつりは本年で27回を迎え坂出市をはじめ各諸団体の方々と連携のできる事業であり毎年、県内外より数万人を動員する塩まつりへと成長しました。さかいで塩まつりのなかの催し物では塩で栄えたまちをPRするものが盛り込まれており多くの賑わいを創出しています。私達は地域に根差した青年会議所の一員としてまちのルーツを知ることと住み暮らすまちに感謝し、更なる高みを目指しこの塩まつりに新たな時代背景を盛り込んでいきこの先も地域の皆様から愛される事業にしていかなくてはなりません。一時的な賑わい創出だけでなく多くの来場者と共に新たな一歩を踏み出すことが事業に進化をもたらしひとの意識を変革することに繋がります。

・卓越した青少年育成
 夏に開催をしているサマーキャンプでは地域のこども達の育成を目的として事業を構築しています。例年、小学校高学年を対象としていましたが対象年齢も再度見直して事業を構築していくのも地域の担い手でなければならない私達の成長です。地域のこども達にとっても年齢制限を見直すことで青年会議所が行う運動を幅広く理解し知るきっかけとなり、あらゆる分野での楽しみ、学びに繋がることになります。サマーキャンプは、地域で年々と認知度が高まっており2年連続、3年連続で参加してくれるこども達も増えてきたことから地域に求められる事業へと成長してきています。地域の期待を胸に、2018年度も坂出青年会議所が持つ卓越した知識、見識を発揮し事業構築を進めていき、事業を通じて私達が住み暮らすこのまちの魅力や問題点などを大人達、こども達で共有し郷土愛を持った大人達、こども達を増やしていくことで、このまちを明るい社会へと導きます。

・圭角のない地域へ  
 生涯学習や自己啓発を目的とした坂出市民大学は毎年、地域の皆様のご理解とご協力を得ていることから本年で35回目を迎えることになり坂出青年会議所の行う事業でもっとも歴史あるものとなっています。過去と現在では時代背景も変化しているなか、毎年の決まった枠のなかで事業展開をしていくのではなく事業に適した動員人数、開催場所などを選定し来場してくれるまちの方を必ず一人は変革できる価値ある事業にしなければなりません。毎年、数百名を動員する坂出市民大学はあらゆる分野で長けている方を講師にお招きして開催していますがその後、市民の皆様がどう意識変革したかが不透明です。意識高揚を促し毎年、掲げる目的を達成しているのか、近づいているのか事業後の影響や効果についても私達が知ることにより目的を絞り来場者の皆様にも価値ある市民大学となることによって今後もこのまちに求められる事業となります。

・智者の発掘育成 
 2015年を最後に日本青年会議所から拡大委員会が無くなりましたが、これは会員拡大に対しての意識が薄れたのではなく、私達が理想の形の入会を求めて後手に回ったからです。この手法には、候補者から見て入会に対する絶対的な根拠が必要となり、常に私達が地域社会の場で活躍し、憧れの存在として昇華している姿を見せなければなりません。地域には、まだ沢山の若者が住み暮らし青年が運動できる場を求めています。そんな希望が溢れる智者を発掘し地域そして坂出青年会議所の次代を担う者として育成していく必要があります。現在、全国の青年会議所メンバーの在籍年数が平均的に4~5年と短くなっており、本来の学ぶべきことを学ばずして卒業を迎えている状況にあり私達、青年会議所の活動期間である20歳から40歳までの限られた時間の中で、己を律し高みを目指し、地域社会を牽引していくようなリーダーにならなければなりません。そのためには、現役会員や新入会員の研修となる事業を設け、青年会議所の魅力を伝えていく必要があります。また、入会から卒業までの活動期間を見据えながら青年会議所という学び舎を通じて地域を斬り拓く人財へと成長していかなくてはなりません。

 
・出向者の価値と影響
 私達が地域で活躍できる人財へと成長していく過程には、幅広い知識と見識を身に付ける必要があります。青年会議所は全国に696LOM、約35,000名のメンバーから成り立っており、香川ブロック協議会、四国地区協議会、日本青年会議所と活動の範囲を広げることができる出向制度があります。私は、2015年、2016年と日本青年会議所に出向しましたが、そこでは青年会議所活動の意識高い全国の同志との素晴らしい出会いがあり、共に活動するなかで自分の価値観や人生観までもが180°変えさせられる刺激的な機会を沢山経験しました。時間が凝縮され幅広くスピーディーに自己成長のできる場というのは出向者にしか味わえません。出向者は出向に向けて仕事・家庭の時間調整やLOM事業が疎かにならないように日程調整もしなければなりません。また、坂出青年会議所の組織の品位を高める行動を意識し実践しなければなりません。さらに出向で学んだことはLOMや地域に活かすために必ず例会等で報告し、常に組織の多角的かつ継続的な活動に役立たせるために、学びを落とし込むという意識を持つことが望ましいと考えます。一方、出向しないメンバーは出向への理解と協力をLOM内で図り、出向者を気持ちよく送り出せるよう努めなければなりません。

結びに

 私達は、青年会議所メンバーとして様々な分野で挑戦しなければなりません。活動のなかでは、無難な道ではなくあえて多難な道を選び突き進むことが重要であり変化を恐れ挑戦しないリスクは、失敗するリスクよりもはるかに大きいものである。人生のなかで何事にも、一番挑戦できる青年期であるからこそ全力で挑戦し思い出に残る青年会議所活動をおくるべきです。活動における過程こそが一人ひとりを成長させてくれる青年会議所の価値であり、その価値を身に纏った改革者たる青年が明るい豊かな社会の実現へ導いていくと確信しています。資質・品格・教養の問われる現代であるが故に、己を律し磨きを掛け、謙虚さと感謝する心を忘れず、和の精神を重んじる日本人であることに誇りを持って、未来を切り拓く青年へと成長を遂げていきます。

2018年1月1日

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